XCOM: Enemy Unknownレビュー

ホバーSHIV

期間限定の無料キャンペーンがあるということでおすすめしてきた『XCOM: Enemy Unknown』ですが、よく考えたら「どういうゲームなのか」を全く書いていませんでした。「こいつは面白いと言っているが、どこが面白いのか全然わからん」と思われていそうなので、今回は紹介記事を書いてみたいと思います。

※2018年1月11日にブログテンプレートの変更に合わせて編集を行っています

XCOMとは

XCOMには最大6人(初期は4人)の兵士に直接指示を出してエイリアンと戦う戦闘パートと、基地を発展させ、新技術や新兵器を開発する経営パートが存在しています。

新規ゲームの開始直後は戦闘のチュートリアルから始まるので、先に戦闘について紹介していきましょう。

戦闘パート

戦闘画面

戦闘時のジャンルはターンベースのストラテジーです。プレイヤーのターンとエイリアンのターンを繰り返し、目標を達成できればクリアとなります。

通常時は画面にグリッドが表示されていませんが、海外のストラテジーにありがちなヘックス(Civilizationのような六角形)ではなく正方形のマスがベースとなるゲームなので、日本人にも馴染みやすいのではないでしょうか。

行動順は素早さなどのパラメータで決まるわけではなく、XCOM部隊が全員行動終了するとエイリアン部隊が全員行動するという交代制になっています。プレイヤーのターン中であれば、行動力の範囲で好きなユニットから順番に動かすことができます。

戦闘で重要となるのが、「カバー」と「監視」のシステムでしょう。これは他のSLGであまり見かけないシステムです。

カバー

カバーは、FPSやTPSで言うカバーと似たようなものだと考えてください。壁、荷物、車、建物内の柱など、フィールド上に存在するほとんどの物体は遮蔽物として機能します。

これらに隣接する場所に移動すると遮蔽物の向こうからの攻撃を回避する確率にボーナスが付き、運悪く当たってしまってもクリティカルによる大ダメージを防止する事ができます。

遮蔽物に隠れず棒立ちしている状態・横や後ろに回りこまれた状態では回避率が低くなるだけでなく、高い確率でクリティカルを受けてしまうので非常に危険です。

できる限りカバーからカバーへ、それも可能ならば背の高い遮蔽物(低い遮蔽物の二倍の防御ボーナス)を移動することがダメージを受けないコツとなります。そのため、どのように部隊を進軍させるかが非常に重要です。

敵のカバー

ただし、エイリアンも遮蔽物を利用して攻撃してきます。低い遮蔽物ならまだしも、高遮蔽物に守られた敵に対する攻撃は序盤ではほとんど当たらないレベルまで命中率が下がってしまいます。

戦況に応じて、以下のような方法で対処していきましょう。

  1. とにかく攻撃する
    1対多の状況ならば、そのうち当たるかもしれません。
  2. 必中攻撃・範囲攻撃を使う
    序盤では、フラググレネードが必中の範囲攻撃なので上手く活用しましょう。あるいはロケットランチャーが射程も長く、常に命中率90%の強力な範囲攻撃です。
    爆発物で敵を倒すと戦利品が少なくなりますが、兵士の命には代えられません。
  3. 遮蔽物を破壊する
    敵ではなく遮蔽物を狙ってグレネードを使えば、遮蔽物を破壊して相手を棒立ち状態にできることもあります。
  4. 至近距離まで接近して攻撃する
    スナイパーライフル以外の銃器は、近くに行くほど命中率が上がります。敵の攻撃も当たりやすくなることに注意しましょう。
  5. 監視を行う
    監視については次で説明します。

監視

監視は、そのターンでは攻撃を行わずに様子を見るときに使われます。こう表現すると消極的なようですが、奇襲を受けると危険なこのゲームでは非常に重要なコマンドとなります。

前提として、装備している武器の弾薬が残っていれば監視を実行する事ができます。監視中に射程内で敵が移動した場合、自動的にリアクションショットを行います。

敵ターンであっても関係なく割り込んで射撃します。一度リアクションショットを行うと、そのターン中はリアクションショットが発動しません。

リアクションショットの威力は通常の攻撃と変わりませんが、動いている目標を狙うことになるため命中率にペナルティを受けます。さらに、クリティカルヒットすることもありません。

監視の良い所は、敵のターン中にも攻撃が可能なことでしょう。相手が高遮蔽物に隠れていて当たりそうもないときには、監視して移動したところを狙うのが有効です。

そもそも敵がどこにいるかわからない場合にも、監視しておけば飛び出してきてそのまま撃退できることもあります。

敵の監視

やはりエイリアンも監視を使ってきます。効果もこちらが監視をした場合と同じなので、敵の視界内で移動してしまった場合はプレイヤーのターン中にエイリアンのリアクションショットが発動します。

命中率ペナルティがあるといっても危険なことには変わりないので、監視されていることがわかっている場合は移動せずに射撃するなどの方法で対処していきましょう。

ダッシュ移動中の兵士にはリアクションショットに対する回避率ボーナスが付きます。これを利用して、ダッシュ移動でリアクションショットを外させてから他のユニットを動かすというのも手です。

カバーと監視、この二つのシステムが戦闘の基本となっています。いかに遮蔽物を利用し、相手には利用させないか、という戦略が試されます。

消費アイテム

グレネードやロケットランチャーなどの装備には、戦闘中に使用可能な回数の制限があります。各装備ごとの規定回数に達すると、その戦闘中は使用できなくなります。

これらは使い捨てではなく戦闘が終われば補充されるので、必要だと判断したときには惜しみなく使っていきましょう。出し惜しみをして隊員を失っては意味がありません。

戦闘結果

戦闘が終了すると、結果が表示されます。倒したエイリアンの数、死亡したXCOM隊員の数などを確認しましょう。さらに、本部に帰還すると結果に応じた戦利品と兵士の状態(戦死、負傷、活動可能及び昇進)が表示されます。

負傷と戦死

戦闘中に死亡した兵士はロストします。装備品は回収されて再利用できますが、兵士は復活しませんので慎重に行動しましょう。ただ、運が悪ければ序盤で数人の殉職者が出るのは仕方のないバランスであることも事実です。

戦闘でアーマーの防御力以上のダメージを受けた兵士は負傷し、表示された日数の間戦闘に参加することができません。古参兵が負傷している間に高難易度のミッションが発生しないことを祈りましょう。

日数が経過すれば、元の状態で戦線復帰してきます。

昇進

昇進した兵士は各パラメータが上昇します。さらに、兵種と階級により二者択一で、または固定で一つの特殊な能力を獲得できます。

ここでどの能力を選んでいくかによって、同じ兵種でもそれぞれの兵士に向いた役割は全く違ったものになっていきます。

戦闘では安全策(爆発物を利用した確実な敵の排除)と、戦利品の回収(武器のパーツなど)のトレードオフ関係が悩みどころです。

銃撃のみで戦うと負傷や死亡が続出してしまうので、使うべきときにアイテムを使うことが要求されます。

経営パート

地下に作られたXCOM本部

経営パートでは、地下にあるXCOM本部を運営するのがプレイヤーの主な役割となっています。

さらに、施設の建設、各施設で生産する設備や研究対象の選択、UFOを探知・迎撃する人工衛星や迎撃機の配備まで、全てが司令官であるプレイヤーに委ねられています。ひたすら武装を強化するもよし、人工衛星を増やして金策のために奔走するもよし、スタイルはプレイヤー次第というわけです。

ただし、パニックレベルが上がる=ゲームオーバーが近づくということなので、少しはパニックを抑えましょう。

戦闘パートでは特定の敗北条件を満たした場合、ミッションを中止して戦場から離脱した場合、部隊が全滅した場合などにミッション失敗となりますが、単なるミッション失敗ならリカバリーは可能です。一方で、パニックレベルが上がりすぎてXCOM計画から撤退した国が8カ国になると本当のゲームオーバーです。

プレイヤーの仕事

経営パートで考えることは、大きく分けると次のようになります。

研究
エイリアンの死体や武器のパーツ、UFOの部品などの戦利品を使って研究を進めます。
これにより、新たな研究項目、武具、施設などがアンロックされていきます。施設の「研究所」を建てるか、科学者の人数を増やすことで研究スピードが上がりますが、研究所を一つも建てなくても研究そのものは可能です。研究は同時に一つしか進められないので、常に何かを研究しているようにすべきです。
開発
研究により作成可能になったアイテム、武具、備品などを作成します。
アイテムの作成には、現金・材料・時間が必要になります(一部アイテムは即作成可能)。技術者の人数を増やすことで作成できるものが増え、人数に応じて作成コストも下がります。
建設
本部に施設を追加します。
XCOM本部は地下にあるため、まずは掘削を行って空間を作り、そこに建物を作ることになります。現金・材料・時間がかかるのはもちろん、発電所以外の各施設は電力を必要とします。電気が足りなくなったら発電所も作らなくてはいけません。
スペースが足りない場合はエレベーターを作ることでさらに地下深くに基地を拡大することができます。
改良
施設「製造工場」を作成することで、既にある武具・アイテムの効果を改良するプロジェクトや、全く新しい製品を作り出すプロジェクトを実行できるようになります。
これも現金・材料・時間を必要とします。
迎撃機の発注と管理
一般的な迎撃機は、現金と時間のみで用意することができます。
初期装備のアバランチミサイルはおまけで付いてくるものですが、数さえ揃えれば最終盤以外では十分な性能があります。一度購入した迎撃機を異なる地域に移動させる場合は時間がかかりますが、資金は不要です。
兵士の雇用・訓練学校ボーナスの獲得
自発的に行う機会はあまりありません(死者が続出している状況はよろしくないため)が、現金と時間を使って新兵を雇用することができます。
士官訓練学校があれば、現金を消費して兵士に関わる各種アップグレードを購入することができます。
人工衛星の打ち上げ・各種依頼の処理
人工衛星を国の上空に打ち上げることで、当該国家は毎月XCOMに資金と人材を提供してくれるようになります。
さらに、即座にその国のパニックレベルを減少させます。一つの大陸にある全ての国を衛星で監視すると大陸ごとに異なるボーナスが獲得できます。
ランダムに発生する物資提供依頼(研究用の戦利品や、対エイリアンに使用するアイテムを求められる)をクリアすれば、資金か人材を獲得できます。

かなりいろいろありますが、基本的には部隊の戦闘に関わるもの、UFO迎撃戦に関わるもの、金策に関わるものです。上の項目を見てもらえば分かる通り、ほとんど何をするにも現金は必要となってきます。

戦利品を売りさばいて多少の現金に変えることもできますが、戦利品は研究や開発にも必要となるのでここでもジレンマが発生します。

中には売却以外に使い道のない戦利品(はっきりそう書かれています)もあるので、不要なものを売ってうまく資金を活用していきましょう。とにかく資金不足には苦しめられます。

どれを優先すべきか、常に頭を使う必要があるでしょう。

XCOMに向いたプレイヤー


このように、XCOMは戦闘中もそれ以外も頭を使い続けるゲームとなっています。少々武装が充実してきても油断すればすぐに死者が出ますし、研究を続けなければ敵の強化に置いて行かれます。リアルタイム性は一切無いため、どの場面でもじっくり考えることができるのが良いところですね。

いろいろ書いてきましたが、まとめると以下のような人にはおすすめのゲームです。

  • 歯ごたえのあるSLGを求めている
  • 頭を使って窮地を脱する展開に燃える
  • 敵対的なエイリアンが出て来るようなSFが好き
  • 特殊部隊や秘密基地にロマンを感じる
  • 主人公最強!よりも普通の兵士が戦うゲームが好き

逆に、こうした人にはあまり向かないかもしれません。

  • 多数の敵を相手に無双したい
  • 爽快感のあるゲームがしたい
  • キャラクターのロストがあるゲームは苦手
  • ストーリーを重視したい

ストーリーはあるのですが、エンディングがちょっと残念な感じです。固定メンバーなどはなく、全ての兵士がロストの可能性もある一般キャラクターなので仕方がないのですが…。

1 件のコメント :

  1. 先日、vita版を買い攻略サイトを探していたら、ここに辿り着きました。
    トライ&エラーを繰り返していますが、やはり基礎的なことは知りたいので、とても助かります。

    返信削除